BLUE GIANT (いつの日か)編集者一のジャズプレーヤーになる…!!

いよいよ始動する『BLUE GIANT』スペシャルコンテンツ。
記念すべき第一弾は、ビッグコミック編集部のホープ・ナツメが、知識も技術もないサックスに挑戦するというチャレンジ企画。ヤマハさんの全面協力とヤマハ大人の音楽レッスン講師・物井光太朗先生の全力指導のもと、編集者一のサックスプレーヤーを目指します!!
完全素人のため、かなり初歩的な内容でも熱く自慢げに語ってしまうこともあると思いますが、その辺りは…どうぞ「全く、カワイイ奴だな」「頑張れ!若造!!」と温かいお気持ちでご覧いただければと思います!!
Step6 自分の“場所”と“音”探し
僕、ナツメがマイサックスを手にして、はや3ヶ月。速いねぇ・・・速すぎる!!熱中している分、余計に速く感じる時間の経過。時間を忘れて音と向き合えている証でしょうか。
さて今回はちょっとレッスンとは別のお話を。題して「自分の“場所”と“音”探し」!!

修行場所
月2回のレッスンだけでは飽き足らず、サックスをときに背負い、ときに車のトランクに詰み込んで、こつこつと自主練を重ねてきました。一人きりの練習は困難の連続です。まず何に苦労したかと言えば、実は『場所選び』でした。「あるあるー」と賛同頂けると嬉しいです(笑)。 いかんせんサックスは音がデカい!! 音量を抑えるグッズなんかもあるんですが、それを使ったとしても都内の集合住宅で吹くなんてなかなか勇気が・・・ということで、僕は日々気持ちよく練習できる場所を探してきました。今回は、サックスを抱えて放浪した末に辿り着いた練習スポットをいくつかご紹介します!

(1)カラオケ
もっとも手近で、気楽に吹けるのはカラオケの個室。防音はもちろんのこと、夜でも室内は明るく楽譜もはっきり見えます。マイクとスマホを上手く使えば練習用の伴奏までバッチリ用意できちゃいます!!
最近は楽器練習OKのカラオケ店もかなり多いので、サックスを持ち込むことに気を遣う必要もありません。自主練場所としてお世話になる回数はダントツで多いです。(練習の合間、息抜きに一曲歌ったりも出来るのも足繁く通う理由かも・・・笑)
(2)海
 海。それは、カラオケに行き出す前、僕が初めて自主練をした場所・・・! 東京ゲートブリッジ近くの「若洲海浜公園」に深夜に出掛けて行ったのは良い思い出です。夜釣りのおじさんやラブラブカップルが多い中、僕は一人、今とは比べものにならないくらいヘタクソな音を出していました。しかも思いっきり(笑)。今思い返すと超恥ずかしいです。魚は逃げるわ、ムードは壊れるわ、もう騒音でしかなかったことでしょう。(その節はすみませんでした!)
でも、僕としては気持ち良かったんですよね!! 夜の静かな海に向かって思いっきり吹く。果てしなく音が伸びていく感じが好きで、今でも車のエンジンを吹かせて楽器の持ち込みが可能な海辺の公園なんかに、ちょくちょく出没しています。難点は風があって楽譜を上手く広げることができなかったり、夜は明かりなしでは楽譜が読みにくくなることでしょうか。快適に練習するには工夫が必要です!!

(3)川原
これは『BLUE GIANT』を読んでいる人であれば、一度は練習してみたい場所!! 海とはまた違う気持ち良さがあります。ただし、大きな川の電車の鉄橋下など、ある程度場所を選ばないとご近所迷惑になるので要注意。僕が野外で自主練を試みた場所では、川原はギリギリ周囲に迷惑をかけることなく練習に打ち込める場所って印象です。まだ都内の大きな公園などには足を運べていないので、このギリギリ感が変わる可能性は大ですけどね!!

もっと聴く人を魅せられるようになれば、人目を気にせず吹ける場所も増えるのかなと思うんです。例えば海で練習していたら、近くにいるカップルに「一曲お願いできますか?」なんて言われたりとか・・・そんなシチュエーション、憧れます(笑)。いつか必ず、耳を塞ぎたくなる音から、耳を傾けたくなる音を出せるようになってみせるぜ!!
 そんなこんなで皆さんにお尋ねしたいのですが、自主練でオススメの場所ってありますか? 「意外と〇〇なんかは大丈夫!」といったオススメの練習スポットがあれば是非教えてください!! 上達の秘訣は何よりも練習ですし、練習場所が増えればもっともっと上手になれると思うんです。是非ナツメの練習場所増加作戦にご協力を!!!

マイマウスピース
サックス購入後、基本セットで練習をしてきたのですが、少し吹けるようになってくると、何か変化を求めてしまうのが僕の性。「物井先生、サックスプレーヤーはマウスピースを変えたりする人も多いんですよね? 僕もちょっと変えてみたいんですけど・・・」と、前回のレッスンで相談したところ、にっこり物井スマイル!おっ、この反応は・・・!
はいッ!ということで、やって参りました!!お馴染み、ヤマハ銀座店でございます。ナツメ、マウスピースを買う大作戦の当日、マイサックスと出会った管楽器のフロアに到着すると「今度一緒に買いに行きましょう!」と約束してくれた物井先生と、先日お世話になった売り場担当の方がすでに準備をしてくれていました。1、2、3、4、5・・・10個近くもマウスピースが!! こんなに種類があるとは知らず、ジーッと見つめる僕。「では試し吹きしてみましょうか。」当たり前ですが、色や素材が似ていても音が違うので、購入前の試し吹きは必須。早速吹かせてもらいます。
〈本日試し吹きマウスピースMENU〉
(A)ディコフ[メタル]
(B)ヤナギサワ[メタル]
(C)オットーリンク[メタル]
(D)オットーリンク[ラバー]
(E)メイヤー[ラバー]
(F)セルマー[ラバー]

 黒いラバーとキラキラと輝くメタルのマウスピース。素材の違いに加えて形やリードに対するソリ加減など、よーく見ると細かな違いが多々あります。「まず一通り吹いてみますね。」と、物井先生が吹き比べをしてくれることに。まぁ試し吹きといえども奏者は物井先生。“試し”のレベルは大きく超えているわけで、その音色にうっとり・・・。聴いてみると何となく、いや、間違いなく音が違います。そしてその違いをさらに実感するために今度は僕が吹くことに。

おおお!!!違う!!!!
ということで聴いて吹いてみた感想を一言ずつ。

(A)ディコフ。
非常に音が走ってます。はっきりと鮮明に耳の奥まで届きます。いい意味の荒々しさを感じられるマウスピースって感じがしました。きっとこういうのは好きな人にはたまらないでしょうね! 車にたとえると“フェラーリ”って感じです。(ナツメは大の車好きです)
(B)ヤナギサワ。
こちらも音の輪郭がしっかりしてる印象。荒々しさはなくきめの細かい音って感じです。日本製らしく形も洗練されてました。非常に上質です。
(C)オットーリンク。
テナーサックスのマウスピースで迷ったらこれ!という定番なんだとか。たしかにテナーの低い音に合ってるし、他と比べて響く感じがしますね。
(D)もオットーリンクですが、こちらはラバーです。
『BLUE GIANT』では宮本大が使ってるマウスピースで、これもテナーサックスの中ではもちろん定番。メタルよりもさらに音が響きます。ちょっと吹き込む息の量を増やさないとしっかり音が出ないんですけど、出たときの音の重厚感がなんとも言えない感じで、たまらなくいいです!!
(E)メイヤー。
これはアルトサックスで断トツの定番マウスピースだそうです。ただし、テナーでもしっかりとした音が出ますし、吹きやすさは抜群にいいですね。
(F)セルマー。
これはジャズよりもクラシックや吹奏楽などで使うことの方が多いとか。でも流石のセルマーです。音の安定感ときたら他と比べても非常に優れています。もちろん音色も綺麗。  

食レポも苦手ですけど、音レポはさらに・・・音の違いを説明するのがこんなに難しいとは・・・それを漫画で表現する石塚先生へのリスペクトがまた一段と大きくなってしまいました。  

さて、ここから運命の選択です。どのマウスピースを選ぶのか・・・お金に余裕があれば「もう全部ください!!」と言ってますが、今回ももちろん自腹ですので、慎重に自分にあった究極の1つを選びます。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「これにします!!」

僕が選んだマウスピースは(D)オットーリンク[ラバー]。どれも良かったです。でもこのマウスピースの吹きやすさ、自分好みの音色、そして宮本大と同じモデルという点が僕のハートをグッと掴みました! メタルのマウスピースもとても魅力的だったので、遅かれ早かれ口にする日がくるかなと思います。さ、財布が血を流しそうだけども・・・ ちなみにですが、マウスピースって(メーカーによって差はありますが)同じモデルでも作る段階での削り方などで個体差があるそうです。それはつまり音や吹いた感じも違うということ。最近はネットで簡単に変えちゃいますけど、やっぱり直接店頭まで足を運んで初めて、自分にあった音、自分だけの音に巡り会えると思うのです。是非マウスピースをお求めの際はお近くの楽器店まで!!


さて、レッスン外でも充実しているナツメのサックスライフの一コマはいかがでしたでしょうか?
今後もライブ参戦やサックス奏者との交流会など、レッスン以外のシーンもお届けしますので、どうかお楽しみに!!