BLUE GIANT (いつの日か)編集者一のジャズプレーヤーになる…!!

いよいよ始動する『BLUE GIANT』スペシャルコンテンツ。
記念すべき第一弾は、ビッグコミック編集部のホープ・ナツメが、知識も技術もないサックスに挑戦するというチャレンジ企画。ヤマハさんの全面協力とヤマハ大人の音楽レッスン講師・物井光太朗先生の全力指導のもと、編集者一のサックスプレーヤーを目指します!!
完全素人のため、かなり初歩的な内容でも熱く自慢げに語ってしまうこともあると思いますが、その辺りは…どうぞ「全く、カワイイ奴だな」「頑張れ!若造!!」と温かいお気持ちでご覧いただければと思います!!
Step7 ジャズ入門
前回のレッスンで初セッションにチャレンジしたナツメ。たまたま見学に来てくださったヤマハの正富さんから「成長してます!」との非常に励みなる言葉をいただき、さらにレッスンと自主練に力が入ります!! そんなナツメが今回挑戦するのは「ジャズ」!!
ジャズっぽさ
レッスン、自主練、レッスン、自主練・・・と、レッスンの回数もだいぶ増えてきました。それに比例して物井先生からの「いいね!」を浴びる回数も順調に伸びてきたということで、そろそろジャズっぽいことをやることに!! うん? ジャズっぽさって何? そう、それは・・・えっと、あのー・・・、物井先生、教えてください(笑)

「楽譜のここに何か書いてありません?」
 と物井先生の指先は楽譜の左上を差しています。なになに・・・そこには“Swing”の文字。そして、その文字の隣に「八分音符の連符」=「四分分音符と八分音符に数字の3」と書かれています。これは・・・?「これはですね、三連符のノリで弾きなさいってことです。」どうやら八分音符を均等に吹かずに前の八分音符を2/3、後ろの八分音符を1/3で吹きなさいと言う指示、ということのようです・・・。ま、まずい。ちんぷんかんぷんです(笑)

「言葉だけの説明だと分かりにくいので、実際に吹いてみますね。」と物井先生の吹き比べ講座スタート。まずはいつも通りのバージョン。うむ、これは平坦な感じ。そして次はSwing。おお!確かに違う!! 同じ音のはずなのに劇的に違います。一気にジャズっぽくなりました。すごく音が弾んでます。「ドゥダドゥダ」がいつも通りだとすると、「ドゥーダドゥーダ」って感じ。このSwingがジャズの中でもオーソドックスな表現方法になります。

 「ナツメさん、あと、ここを見てください。」と物井先生が指差す先にあるのは「>」と「―」の記号。「“アクセント”と“テヌート”です。」しまった・・・中学のとき、もっと音楽の授業を真面目にやっておけば・・・!!
アーティキュレーション

“テヌート”とは音を一定に保つ記号。“アクセント”とは音を強調する記号。今回はこの2つの記号を組み合わせながら、楽譜に表情をつけていきます。これがいわゆるアーティキュレーションです。  ジャズのアーティキュレーションのポイントの1つが、”裏拍のノリ”。裏があるということは、もちろん表もあります。たとえば音符が4つ並んだとき、1つ目と3つ目にアクセントが来るのが表拍のノリ、2つ目と4つ目にアクセントが来るのが裏拍のノリになります。

表拍
ド!ミ!ファソ!

裏拍
ド!ミ!ファソ!
裏拍を強調すると、聴き手に微妙なリズムのズレを感じさせ、興奮や緊張感を生みだす事ができるのだとか。ジャズ特有の高揚感ってこの裏拍効果なんですね。ちなみに僕の祖母は演歌や民謡に「パーン、パーン」とよく手拍子をしますが、これは表拍のノリ。元々日本人に馴染みがあるのは表拍なんだそうです。
 さて、僕は聴き手ではなく吹き手なので、感じる側ではなく感じさせる側。感じさせるためにはアクセントを上手くつけなければいけません。自分の声なら、声を大きくすれば簡単にアクセントをつけることもできますが、サックスの場合は、もう少し複雑なんです。  
ポイントとなるのはタンギング。レッスン序盤に習った奏法です。テヌートとアクセントが交互にくる時、テヌートは音を音符の拍分、一定に保ちますが、アクセントの場合、音の出だしを強調するためにタンギングで音の長さや強さを調整するのです。  
1つの音をタンギングすることは出来るようになりましたが、いざ『アクセントをつけるためのタンギング』となると、むむ!全然できません…!

(アクセント=強調だから…!えっ、強く吹きながらのタンギングって随分難しいぞ!)

息を強く吹き込みながら、タンギングに挑戦して悪戦苦闘している僕に、物井先生が微笑みかけます。

「ナツメさん、ちなみにですけど“アクセント”って必ずしも“強い音を出すこと”じゃないですよ?」
「えっ、そうなんですか?」

混乱する僕の前で、おもむろに取り出される物井先生のサックス。そして今まで以上に小さい音量で・・・

ド レ ミ ファ!

「はい、この中で一番目立っているのはどれですか?」・・・・・・“ファ”です。「正解です。アクセントが必ずしも強い音とは限りません。小さい音量でもアクセントを付けることができますよ。そしてテヌートが必ずしも音量が小さいというわけでもないんです。」ナツメ、脱帽です。 「すぐに出来なくても、じきにアクセント付けられるようになりますよ。まずはジャズ特有のアクセントに慣れていきましょう!」編集者一のジャズプレーヤーになるためには裏拍もアクセントも習得しなければなりません。と言うことは・・・引き続き、レッスン&自主練頑張ります!!
──次回、ジャズライブ初参戦!!