BLUE GIANT (いつの日か)編集者一のジャズプレーヤーになる…!!

いよいよ始動する『BLUE GIANT』スペシャルコンテンツ。
記念すべき第一弾は、ビッグコミック編集部のホープ・ナツメが、知識も技術もないサックスに挑戦するというチャレンジ企画。ヤマハさんの全面協力とヤマハ大人の音楽レッスン講師・物井光太朗先生の全力指導のもと、編集者一のサックスプレーヤーを目指します!!
完全素人のため、かなり初歩的な内容でも熱く自慢げに語ってしまうこともあると思いますが、その辺りは…どうぞ「全く、カワイイ奴だな」「頑張れ!若造!!」と温かいお気持ちでご覧いただければと思います!!
Step16 サックスにも慣れて
□2016年初吹き
 初ステージを経験したナツメにとって、まさにメモリアルイヤーだった2015年。その2015年も終わり、2016年の幕開けです!! 
年始は地元(ど田舎)に帰省し、のんびりとお餅とおせちを食べながら、(ど田舎なので周りのことは気にせず)サックスの練習をしました。いつも通りのカラオケボックスのような閉じたところで吹く練習ではなく、広々とした開けたところで吹きたい放題! 
もちろんちょっと歩けば川もある地元。初吹きは川で思いっきりと決めていたナツメは、元日にサックスを担ぎ川に向かいました。太陽が傾き始めた夕方、誰もいない川原でサックスを取り出します。


「今年もよろしく頼みます。相棒!」


新年の挨拶を終え、いざ初吹き! 「イパネマの娘」、「BLUE BOSSA」、「CHICKEN」、「ルパン三世」・・・2015年に練習した曲を一曲一曲吹いていきます。もちろん思いっきり! 
河口が近いからか、サックスから飛び出した音は強く遠くまで響いていきます。まだまだ課題は山積みですが、大分成長しました。その実感を噛みしめながらの初吹き、無事終了です。
初吹きを終え帰宅しようとしたとき、背負ったサックスのケースがフッと軽くなりました。そして間もなく「ガシャーン」と大きな音が・・・驚き振り返るとそこには地面に横たわるサックス・・・!! 
急いで手に取りキズと故障をチェックします。
・・・・・・音の割にキズは見当たらず、一安心。油断大敵、慣れからくる不注意でケースのファスナーを閉め忘れてしまったのが原因でした。気をつけなければ!

■2016年初レッスン

初吹きの後は初レッスン! 
アドリブの上達と吹けるジャズナンバーを増やすという2016年の抱負を胸に、やる気満々で物井先生のもとへ。

「あけましておめでとうございます! 今年もよろしくお願いします!!」

2015年の熱さをそのままに物井先生と再会を果たしたナツメは、サックスのセッティングを開始。いつものようにネックにマウスピースを装着しようとすると・・・何故か入らない!! 少し力を強めに押し込んでも全く入りません・・・ネックのコルク部分を見てみるとヒドい凹みが!!
 ナツメはそのキズをみて一気に不安になりました。

「もしかしたら他にもキズがあるんじゃないか・・・」

 初吹きで落としたときに出来たに違いない・・・きっとそうだ! サックス全体を細かくチェックしていきます。・・・・・・!!!!!! 
なんと低音のパットが全く閉じません。凹みというより歪みがあります。

これは・・・ヤバい!!

「物井先生・・・僕、やっちゃいました」

サックスの凹み以上にヘコむナツメ。ひとまずマウスピースは無事なので、教室にある貸し出し用のサックスを借りてレッスンをすることに(今更ながら、ヤマハさんのレッスンは楽器を借りて受けられます!)。初吹き同様に気持ち良く終える予定だった初レッスンは、なかなか気持ちも乗らず終了。

「物井先生、この後修理に行ってきます・・・」

「ナツメさん、私も何回か落としましたし、これはサックス奏者が、いや全ての楽器奏者が常に抱える危険なのです! それにこれなら修理に持って行けば直りますよ!」と物井先生。学生の頃、ライブ直前にサックスを落下させてライブも右手の音だけでやることになった話など、物井先生の痛い話を聞いたら、少しだけ気持ちが楽になりました。いつもいつも不安な気持ちを和らげてくれる物井先生に感謝しつつ、いざ修理へ!
□初修理
 やって参りました。サックスを購入したヤマハ銀座店です。管楽器売り場に上がり、店員さんに一声掛けます。「済みません。修理・・・お願いできますか?」こちらへどうぞと通され、怪我を負ったサックスをソッと取り出します。
担当の方が全体を確認し、キズや凹み、そして歪みを丁寧に探していきます。
「ここですね」と指差す先は強い圧力がかかったように凹んでいます。複雑に組み合わされた楽器だけにひとつの凹みが関連箇所に影響し、楽器の下部に歪みが生じていました。そしてそチェックが終わると、担当の方がライトセイバーのようなものを取り出します。
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一体何をするのかと思っていると、ライトセイバーをサックスの中に入れていきます。サックスに空いている複数の穴から光りがこぼれます。「これは・・・何をされているんですか?」と質問を投げかけるナツメ。
「これはですね、パットを閉じた際に隙間がないか確認しています。隙間があると音が上手く出ませんので」と、実際にパットを閉じて隙間が出来てしまっているところを見せてくれます。
「なるほど・・・」
「ナツメさんはメンテナンスはされてますか?」
「・・・すみません。買ってから1年ちょっと、一度もメンテナンスしてません」
「出来ましたら半年に一度、メンテナンスされるといいかと思います。今簡単に見てみましたが、低い音が出しにくくありませんでしたか?」 ・・・図星です。
「そちらもメンテナンスで調整すれば良くなりますよ」最近、上達していく中で感じていた、低音の違和感・・・その原因は“隙間”だったのです!

・・・・・・・・・ナツメ考え中・・・・・・・・・

・・・・・・・ナツメ考え中・・・・・・・

・・・・・ナツメ考え中・・・・・

・・・ナツメ考え中・・・

「修理と合わせて、メンテナンスもお願いします!」

1年間、メンテナンスもせずに、さらに地面に落として痛めつけた罪を償うために、ナツメ、決断しました。正直安いものではありません。でもこれからのマイサックスで吹く愉しみも考えれば決して高いものではありません。
2016年、最初からとんでもない経験をしてしまったけれど、これもサックスプレイヤーとして楽器に向き合う良い機会と思えば全然平気です!
(とはいいつつも今日もワンコインでおつりがもらえるランチで我慢する日々・・・笑)
相棒!! これからはもっと大切にするぜ!!!