BLUE GIANT (いつの日か)編集者一のジャズプレーヤーになる…!!

いよいよ始動する『BLUE GIANT』スペシャルコンテンツ。
記念すべき第一弾は、ビッグコミック編集部のホープ・ナツメが、知識も技術もないサックスに挑戦するというチャレンジ企画。ヤマハさんの全面協力とヤマハ大人の音楽レッスン講師・物井光太朗先生の全力指導のもと、編集者一のサックスプレーヤーを目指します!!
完全素人のため、かなり初歩的な内容でも熱く自慢げに語ってしまうこともあると思いますが、その辺りは…どうぞ「全く、カワイイ奴だな」「頑張れ!若造!!」と温かいお気持ちでご覧いただければと思います!!
Step4 広がる音域とサックスの世界
前回のレッスンの終わりに物井先生のテクニックを目の当たりにして、編集者一を名乗れるまでの道のりの長さを実感したナツメが、さらに自主練を重ねて迎えたレッスン第3回!!
三大ポイント!!
「よろしくお願いしまーす!!」ジャズの基本は元気!とばかりに挨拶すると、何やら本日の物井先生に異様な“親近感”を覚えました。(一体…これは!?)ジローッと物井さんを見る。「あっ!」ナツメは気づきました。シャツの柄が同じじゃないですか!しかもキュートな花柄。もう3回目のレッスンにして以心伝心、相思相愛、強い師弟愛で結ばれています。
さてさて余談はさておき、サックスの基本の“キ”を学んだ前回のレッスン以降、自主練のときには常にアンブシュアには意識して吹き続けた僕ではありますが、今回のレッスン冒頭の音出しでも早速音を詰まらせてしまう…その原因は第一に緊張。第二にマウスピースのくわえ方。第三に意識。大きく分けるとこの3つ。
(1)緊張
 これは前回同様に口元に力が入りすぎているという問題点。物井先生直伝のフラミンゴ奏法を試すとすぐ直ります。そしてさらに今回は両膝を曲げる“カエル奏法”を伝授してもらいました!!
考え方は変わらず、口元に集まった意識をその他のパーツに逃がしてやるための動作。フラミンゴもカエルも即効性バツグンです。

(2)マウスピースのくわえ方
 マウスピースをくわえる深さはどのくらいがベストなのか。丁度いいポイントを摑むまでは、チューナーを使い何回か吹いて調整することが必要でもあるんですが、くわえる際に「前歯に重点を置くこと」も基本として非常に大事。前歯でしっかりマウスピースを固定して、下唇はそっとリードを包む感じがベストなのです。なかなか慣れるまで難しいんですけど、1時間のレッスンの間でも、何回か意識してやっているとそのうちに無意識にできるようになってくるもんです。(ちなみにこのときは口角を上げたスマイル奏法も忘れずに!!)

(3)意識
 特に低い“ド”の音が相変わらず出にくい事で悩んでいるナツメ。これには日常生活でほとんど使わない小指を使うキーだから、という理由もありますが、意識の問題もあるとのこと。音楽素人の僕にとって、音階とは「“ド”から始まり“ド”で終わる」イメージなんですけど、この「“ド”で終わるイメージ」というのが、音が出にくくなる要因でもあるそうなんです。「“ド”を終着点としてイメージしながら吹いていると、ドを吹く瞬間に“到着!”なんて感じで力みが出て音が裏返りやすいんですよね。低い“ド”の次にもっと低い“シ”があるイメージで吹いてみてください。」物井先生のアドバイスを受けて、半信半疑でトライしてみると…

「ミー、レー、ドー!!(シー…)」

できちゃいました。なぜでしょう!
意識を変えるだけでこんなに違うとは…!!
オクターブキー第2ラウンド
 前回オクターブキーを教わったことで、格段に広い音域を手に入れたナツメ。押すキーが増える分、音を出すのが難しくなる…と思いきや、苦手の低い音域よりも断然吹きやすい!!俄然練習もはかどります。

「ナツメさん、良く出せてます!!いいですね!!」

 と、すかさず物井さん。わかってます!ナツメ、吹けてます!! 「で、ナツメさん。良く出てますけど、もう一点上手に吹くポイントがあります。ここに注目してください…」物井さんの指差す場所はネックの上部にあるパーツ。オクターブキーを押したときに連動する部分です。
「まず高い“レ”から“ソ”まで吹いてみてください。」ナツメ、吹きます。ネック上部のパーツは動きません。「次に高い“ラ”、“シ”と吹いてみてください。」ナツメ、再び吹きます。パカパカ。おっ、今度はパーツが動きました!!どうやら高い“ソ”と高い“ラ”の間にこのパーツが動くか動かないかの境界があるらしく、うまく音が出ないときはこのパーツが正しく動いていない。つまり指が正しく動いていないとのこと。例えば高い“ド”から高い“ソ”へ移るとき、人差し指が薬指より先にキーを押してしまったりすると…「ブ、ピ―――!!」ってなっちゃいます。
オクターブキーに完全に慣れるまではこのパーツに注目すると正確に音を出しやすいようです。こういうの石塚先生は知っているのかな・・・教えてあげたいぜ!!
スケール
 さて、お次はスケールのお話。『BLUE GIANT』の作中にもちょくちょく出てくるこの単語。音楽素人にはなかなか馴染みのない言葉です。要はこれ、音の組み合わせによって曲調を決めるもの。たとえばメジャー・スケール。この場合は明るい感じがします。
一方でマイナー・スケールの場合は暗い感じがします。物井さんがピアノを使って説明してくれたんですが、確かに明るい暗いがはっきり出てます。ある曲が悲しい曲だった場合はマイナー・スケール、楽しい曲だった場合はメジャー・スケール。音楽には喜怒哀楽があって、スケールというのはそれを表現するのを助けているんです。ちなみに、メジャー・スケールを使う曲でもノスタルジックで寂しさを感じる曲調だったり、マイナー・スケールを使う曲でも情熱で溢れていたり、それだけ曲には色んな表情があるとのこと。音楽の深淵を覗いたような気がします。

シャープとフラット
 今まで習ったシャープとフラットは、オーラ・リーで使ったファ♯だけ。今回をそれに加えてラ♯とシ♭を伝授されます。(お!一気に2つも!!)と内心思いましたが、実はこれ、音の高さは一緒。確かにラの半音上げとシの半音下げ。ピアノの鍵盤で確認するとわかりやすいでしょうか。しかし、ここからが面白いところです。ラ#(シ♭)、なんと指使いは2通りあるんです!!
 左手人差し指と中指の間の小さなキーを、人差し指でシのキーと2つ同時に押すか、ラを押しながら、右手人差し指で、3つキーが並んでいるところの一番下のキーを押す。この2通りで同じ音を出せるという、何とも不思議な音。これにはもちろん理由があって、指の運びが複雑のとき、音が離れているときなど、ケースバイケースでより吹きやすい方を選択できるように2通りあるんですって。つくづくサックスって楽器はハイテクなんだなと思うナツメなのでした。

鹿嶋先生、現る!!
 今日もいろいろ学びのあったレッスン。その締めに一曲吹こうと思ったそのとき!!部屋の前を小柄な女性が通り掛かりました。「鹿嶋先生じゃないですか・・・!!」駆け寄る物井先生。どうやら物井先生同様、ヤマハの講師の方のようです。「どーも」と一言。笑顔から放たれるオーラが違います。ナツメの前に凄腕のサックスプレーヤーが2人・・・この展開、吹いてもらうしかなくね?いつ吹いてもらうの・・・? 今でしょ!!
 「すみません。一曲お願いできますか?」お願いすると、快諾してくれた物井先生と鹿嶋先生。感動の生演奏を前に全身鳥肌です。僕が吹いてるものと同じ楽器とは思えません・・・(スゲぇ・・・これがサックス!ジャズ!!)馬鹿なのが功を奏してか、歴然たる差を目の当たりにしてもなお、やる気満々のナツメは、一層の努力を心に誓い、本日のレッスン終了です。
(おまけ)
終了時に鹿嶋先生の愛用の楽器も見せてもらいました。音も見た目も超渋い!!
ビンテージのサックスで、愛好者も多いとか。ピカッピカのサックスもカッコイイけど、ビンテージもカッコイイっす!!
――いよいよ、次回動画に初挑戦!?

※この企画で実施しているレッスンは、進度などを考慮して通常カリキュラムを一部アレンジしています。