BLUE GIANT (いつの日か)編集者一のジャズプレーヤーになる…!!

いよいよ始動する『BLUE GIANT』スペシャルコンテンツ。
記念すべき第一弾は、ビッグコミック編集部のホープ・ナツメが、知識も技術もないサックスに挑戦するというチャレンジ企画。ヤマハさんの全面協力とヤマハ大人の音楽レッスン講師・物井光太朗先生の全力指導のもと、編集者一のサックスプレーヤーを目指します!!
完全素人のため、かなり初歩的な内容でも熱く自慢げに語ってしまうこともあると思いますが、その辺りは…どうぞ「全く、カワイイ奴だな」「頑張れ!若造!!」と温かいお気持ちでご覧いただければと思います!!
Step3 サックスの基本の“キ”
前回、記念すべき初レッスンを終えたナツメ。どっさり課題を持ち帰りいつものように自主練に自主練を重ねて…
迎えたレッスン第2回!!
教室前入り、気合い全開!!

前回の復習&今回の予習のため、今日は早めに会場へ向かいました!レッスンルームをお借りして1時間ほど自主練。
ウォーミングアップを済ませたらレッスン本番です。(さて、物井さんはどこだー…?)姿を探すと、本日も前の生徒さんのレッスン中でした。教室の前をうろうろしていたその時、ふと、ラウンジのテーブルに置いてもらっている『BLUE GIANT』を見ると、読まれた形跡があるじゃないか!!(誰だ…誰が読んでくれたんだ!?)
周りを見渡すと小学生くらいのお子さんとその親御さんの姿が…(もしやこの子が!!)「すみませ…」と聞いてみようと思ったその時、物井さんの爽やかな声が…「お待たせしました!今日もよろしくお願いします!」
※ヤマハの方によると、小さなお子さんも手に取って読まれているとのことでした!
子供でも読める「ビッグコミック」作品ということが証明された訳です。フフフ…

リードのヒミツ
夜な夜な自主練を重ねるうちに、少しずつ音の出方が変わっていることに気付いた僕。
リードを観察してみると…なんだか前より薄くなっているような気が…。しかし『気がする』だけで、実際に薄くなっているのかどうか自分ではよく分からなかったので、早速レッスン前にリードの状況を物井さんにチェックしてもらい、交換のタイミングを教えて頂くことにしました!
サックスを購入してから数週間。ずっと同じリードを使っていたためか、やはりリードは大分薄くなっていた模様。替え時は今のようです。
そもそも消耗品のリードですが、実は「一つ一つ個体差がある」とのこと。確かにいくつか吹き比べてみると違いが分かります。
うーん、個性あるリード達とどうやってお付き合いしていけばいいのか…。物井さんにオススメされたのが、2〜3枚のリードをローテーションで使う方法(30分の練習だとしたら10分毎にリードを替えて使ってみる)です。または、ロングトーンなどの基礎練習にはまだ吹きにくさの残るリードを、楽曲などの応用練習では吹き慣れたリードを使う、なんて方法も。確かに1枚をダメになるまで使ってから、また新しいリードに替えていたら音も安定しませんしね!今後は複数のリードをローテーションで使うことにします!
 ちなみにリード、僕は勝手に竹製だと思い込んでいました…。(そんな感じに見えませんか!?)しかし、リードは葦(reed)でできていたんですね…!さらに近年では樹脂製のものも登場しているそうで、物井さんの私物を見せてもらいました。はい、全然違いが分かりません(笑)特に色まで天然素材のように仕上げてあるものに関しては触らないとわかんないっす!!
リードだけもこんなに色々あるなんて、サックスの世界はまだまだ知らないことばかりです…!!
音を安定させる方法とは!?
リードのセッティングを終え、前回の復習も兼ねて簡単な音出しをしてみます。レッスン1回と自主練を経て、少し自信がついてきていたナツメは何も臆することなく吹きます…

「ブピ―――――――!!」

いきなり教室内に響き渡る奇妙な音。(ついさっきまで音出てたのに…!Why!?)
焦りますが、実は自主練中も何度となく変な音を発していた僕。思い通りの音が出ないことはしばしばあって…。特に低い音ほど音が出にくくなるんです。
すっかり凹んでいると「いいですよ!悪くないです。」と、物井さん。なんとお優しい…!!「とりあえずミからレ、ドと下がっていきましょうか。」言われるがままにやってみると…

「ミ――、レ――、ド―――!!」

(出るじゃん!!俺、できるじゃん!!)どうやら慣れるまでは“ド”を単発で出すのは難しいようです。自分の弱点が分かった今、自主練の特訓ポイントに追加っす!!
「ちょっとリードくわえてみてください。」物井さんの指示に従い、パクッとくわえます。「下唇を巻き込んでリードに対してクッションを作ってみましょう。
それから少し口がへの字になっているので、ちょっと口角を上げてみましょうか。」(こ、こう?いや、なんか違う??)「一回それで吹いてみてください。」

「ブ―――――!!」

「ちょっと力んでますね…ほらスマイルです!!」(え、この状況で…笑えない!!)
戸惑う僕に、笑顔で次々と要求を出す物井さん。従うほかありません。
「そうだ!思い出し笑いでも!!」

「パ――――――!!」

なんと…思い出し笑いをした瞬間、きれいに決まったではありませんか!!『下唇を少し下の歯の上にかぶせ、唇の両端から息が漏れないように閉じる。』実はこれがスタンダードなアンブシュアだそう。まだまだ慣れたわけではないですが、編集者一のジャズプレーヤーに近づいた気分です。ちなみに下唇を巻き込んだ状態を“シンリップ(thin lip)”、丸めず深くくわえた状態を“ファットリップ(fat lip)”と言うそうで、唇の厚い黒人のサックスプレーヤーなどはファットリップで演奏する人が多いんだとか。
「そういえばナツメさん、低い音が出にくい時なんですけど、こうしてみてください。」と、さらに物井さんからのアドバイスが。え。何やら片足立ちでサックス吹いてます。ちょっとおかしなポージングですけど、あの物井さんに限って、からかってやってるわけでもないはず…
真似してドの音を出してみます。

「ド―――――――!!」

あれっ、単発なのにしっかり吹けた!!どうして!?「片足立ち、というアンバランスな状態で吹くことで、口周りの余計な緊張がほぐれるんです。」なるほど…確かに足の方に注意が行ったおかげで口元がリラックスできた気がします。名付けて『フラミンゴ奏法』!!物井さんが独自に編み出した練習法とのこと。早速自主練に取り入れていくぜ!!
『オーラ・リー』披露

さて、みっちり基本を確認した後、ロングトーンなどの基礎練習を経て、復習の成果を披露します!前回のレッスンでリズムや音がズレて苦戦した『オーラ・リー』。もう譜面を見なくても指が勝手に動きます。ちょっと音がかすれることがあってもテンポから遅れることはありません。進歩!!俺は進歩している!!
「素晴らしい!流石です!!」前回も言いましたが、ナツメは褒められて伸びるタイプです。(さぁ物井さん!次なる技を伝授してください!!)

複雑だけど便利な楽器・サックス
「では次のステップは、このキー。『オクターブキー』です。」オクターブキーとは、左手親指の先にあるボタン。これを押すと1オクターブ音が高くなるんです!!(操作が簡単!なんて便利な楽器なんだ!!)
物井さん曰く、一見複雑そうに見えるサックスは非常に操作性の優れた楽器で、指さえ慣れれば自由自在に音が出せるとのこと。確かにAという組み合わせでキーを押せばAの音が、Bという組み合わせでキーを押せばBの音が出ます。シャープやフラットの指使いもそれほど複雑ではありません。ナツメの感覚だとドレミファソラシドが難なく吹けるようになれば、あとはその応用で、そこまで意識しなくてもシンプルな曲なら演奏できちゃいます。リコーダーのように「高い音を出す時は裏穴を抑える親指に微妙な隙間をつくる」といった繊細な指使いは必要ありませんしね。小学生の頃は音楽の授業で苦労したもんなぁ…。
サックスがこの世に登場したのは19世紀中ごろ。楽器のなかでは比較的新しいものです。当時の新しい技術を駆使して、細かな計算に計算を重ねた設計がされ、この形が完成したんだとか。キーの多さや複雑なその外見とは裏腹に、非常に扱い易い楽器なんですよね。…って、何年も吹き続けてきたわけでもない僕が言っても説得力に欠けるかもしれませんが、サックス歴数週間でも、楽器の良さは結構分かるものですよ!!
今日のレッスンの最後に次回の課題曲にもなる『カンタループ・アイランド』を物井さんに吹いてもらいました。ナツメ、まだまだです!!
よし、頑張るぞ!!
――いよいよ、ナツメの才能の芽が・・・!?

※この企画で実施しているレッスンは、進度などを考慮して通常カリキュラムを一部アレンジしています。